【人気連載①】新卒PT・OT・STはどこで働くべき?就職先の選び方とポイント


 

新卒の理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)の皆さんにとって、「どこに就職するか」は非常に重要な選択です。医療職の就職活動は一般企業とは異なり、一つの病院から内定をもらうと、基本的にその病院へ就職する流れが一般的です。複数の内定を獲得するケースは少ない傾向にあります。そのこともあり、私自身、最初の就職先を選ぶ際に相当悩みました。臨床実習で経験した病院の雰囲気や、先輩から聞く話、ネットの情報など、さまざまな要素を考慮しましたが、実際に働いてみると「想像と違った」と感じることも多いと思います。今回は、新卒のリハビリ職が就職先を選ぶ際のポイントを、私の経験も交えながらお伝えします。

 

まず考えるべきは「どんなセラピストになりたいか

就職先を選ぶときに、まず考えてほしいのは「自分がどんなセラピストになりたいか」ということです。

たとえば、

  • 幅広い疾患を経験したい → 急性期病院
  • じっくり患者と向き合いたい → 回復期病院・慢性期病院
  • 生活に密着したリハをしたい → 訪問リハ・通所リハ

私は「できるだけ幅広く学びたい」という思いから、急性期病院を選びました。毎日違う疾患の患者さんを担当し、医師や看護師と連携しながら治療を進める経験は、確かに勉強になりました。しかし、リハビリの時間が短く、患者さんと深く関わることができないことに、少し物足りなさを感じたことも事実です。

 

施設ごとの特徴と働き方の違い

 

施設ごとの特徴と向いている人

急性期病院

  • 特徴:退院までのリハが中心、医師や看護師との連携が多い
  • 向いている人:幅広い疾患を経験したい人、忙しい環境が苦でない人

回復期病院

  • 特徴:退院に向けた集中リハ、患者と長く関われる
  • 向いている人:じっくり患者をみたい人、リハの成果を実感したい人

慢性期病院

  • 特徴:長期入院の患者が多い、ゆったりした雰囲気
  • 向いている人:無理なく働きたい人、継続したリハを行いたい人

訪問リハ

  • 特徴:患者の自宅でリハを実施、移動が多い
  • 向いている人:一人で動ける自信がある人、生活に根ざした支援がしたい人

通所リハ(デイケア)

  • 特徴:施設に通う患者にリハを提供、レクリエーション要素あり
  • 向いている人:明るい雰囲気が好きな人、リハと福祉の両方に関心がある人

 

収入や働き方の違いも要チェック

 

新卒で気になるのが給与や働きやすさ。厚生労働省のデータによると、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の平均年収は約400万円前後ですが、施設ごとに差があります(参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)。

  • 急性期は給与が比較的高めだが、業務負担も大きく就職には年齢制限もあるところもある
  • 回復期病院は給与は平均的、スタッフも楽しくもあるが、ライバルも多く昇給は難しい
  • 慢性期病院や介護施設は給与はやや低めだが、残業が少なく働きやすい
  • 訪問リハは歩合制が多く、経験を積めば高収入も可能

私の知人は、新卒で訪問リハに就職しましたが、「最初は移動が大変で大変だったが、1年後には給与が病院勤務より高くなった」と話していました。一方で、病院勤務の私は「学べる環境は整っているが、給与面では厳しい」と感じることもありました。

 

まとめ:迷ったら「学べる環境」を優先しよう

新卒の就職先選びで迷ったときは、「どこで一番学べるか」を軸に考えるのがベストだと思います。経験が浅いうちは、先輩がしっかり指導してくれる職場のほうが、長い目で見て成長につながります。

また、実際に働くと「思っていたのと違う」と感じることもあります。しかし、最初の職場がすべてではありません。転職を視野に入れながら、自分に合った働き方を模索するのも一つの手です。

私自身も、新卒時の選択を100%正解だったとは思っていません。ただ、その経験があったからこそ、今の自分があるとも思います。就職活動で悩んでいる皆さんも、「最初の職場がすべてではない」という気持ちで、前向きに選んでいってください。

 

理学療法士15年目。ICUなどの超急性期から回復期、維持期、地域包括ケア病棟、難病・進行性疾患まで、幅広い分野を経験。
【資格】公認心理師、理学療法士、ケアマネジャー、日本糖尿病療養指導士、三学会合同呼吸認定士、第一種衛生管理者、福祉住環境コーディネーターを取得。
現在、急性期病院に勤務しながら、看護学校の非常勤講師としても活動中。

 

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