「ICUやHCUってよく聞くけど、病棟と何が違うの?」
「重症患者さんが居て、忙しそう。私には無理だな。」
このように思っていませんか?
就職や転職活動をする際に、重症患者さんをみるのは怖い、忙しそう。
と思ってICU・HCUを希望しない看護師は多いです。
私はICUでの勤務経験があり、現在HCUで勤務している現役看護師です。
この記事ではICU・HCUの業務内容や実際に働いて感じたメリット・デメリットをお伝えします。
この記事を読めば、ICU・HCUの実際の仕事について知ることができます。
ICU・HCUで実際に働いた経験をもとに、業務内容やメリット・デメリットを書きました。
ICU・HCUに興味がある看護師、また自分には向いていないと思っている看護師もぜひ最後まで読んでみてください。
ICU・HCUの違い
ICU(Intensive Care Unit、集中治療室)とHCU(High Care Unit、高度治療室)は、どちらも重症患者を対象としています。
・ICUは重症度の高い患者を集中的に管理するため、24時間体制でのモニタリングが不可欠です。
看護師は常に患者の状態を観察し、迅速な対応が求められる環境です。
ICUの看護配置基準は患者2人に対して看護師1人となっているため、患者の状態を常にモニタリングできます。
・HCUはICUよりも重症度が低い患者が入室するため、医療行為や観察の頻度は少し落ち着いています。
しかし、一般病棟よりも重症度が高い患者を管理します。
HCUの看護配置基準は患者4人に対して看護師1人となっているため、病棟よりも密な観察やケアができます。
・全身状態の観察や管理
ICU・HCUの患者は状態が変化しやすいため、頻回にバイタルサインを測定します。
バイタルサインには変化が出ていなくても、身体所見のささいな変化から状態変化を見つけることが重要です。
尿量や輸液量のIn/outバランスを細かく把握したり、状態に合わせた吸引や体位変換を行ったり、全身状態の観察や管理を行います。
・ 高度な医療機器の管理
ICU・HCUでは、人工呼吸器や人工心肺装置・血液浄化装置など高度な医療機器を管理します。
高度な医療機器を使用している患者は、状態が変化しやすいため、連続的なモニタリングが必要となります。
・ 薬剤管理やルート管理
ICU・HCUでは、血圧を維持するための昇圧剤や、人工呼吸器管理に必要な鎮静剤・鎮痛剤など、多くの薬剤が使用されます。
これらの薬剤は効果が強いため、投与量の調整や副作用の観察を慎重に行う必要があります。
また中心静脈カテーテル(CV)や動脈ライン(Aライン)など、さまざまなデバイスを使用して治療を行います。
ルートが閉塞したり感染したりしないよう、適切な管理と観察を行うことが求められます。
・精神面ケア
ICU・HCUには重症患者が入室するため、患者や家族は強い不安を抱えていることが多いです。
患者に対しては、安心して治療が受けられるよう、治療や処置についてわかりやすく丁寧に説明することが重要です。
緊急入院、集中治療室特有の環境、病状により、せん妄リスクが高い患者も多く居ます。
せん妄を予防するために、適切な薬剤の使用や状態に応じたリハビリの実施など、多職種との連携が必要となります。
病状や鎮静の影響で意思疎通がむずかしい患者も多く、家族へのサポートも重要です。
家族が病状を理解できるよう、必要に応じて医師と連携しながら説明を行い、患者との関わり方についても支援していきます。
家族が患者と安心して時間を過ごせるよう、面会時の環境を整えることも大きな役割です。
ICU・HCUで実際に働いて感じたメリット
・幅広い疾患の知識や急変対応のスキルが身につく
ICU・HCUでは、さまざまな診療科の重症患者を受け持つため、幅広い知識を学ぶことができます。
急変リスクの高い患者も多く、急変対応のスキルも身につきます。
特に、急変が起こる前の小さな変化に気づき、はやめの対応ができるようになります。
こうした経験は、一般病棟に転職や異動したときにも、活用できるスキルとなります。
・少ない受け持ち人数で、密な観察ができる
ICUの看護配置基準は患者2人に対して看護師1人、HCUの看護配置基準は患者4人に対して看護師1人となっています。
一般病棟での受け持ち人数より少ない人数を受け持つことになります。
私は急性期の一般病棟で勤務した経験があります。
重症度には違いがありますが、急性期であれば一般病棟にも重症患者は少なくありません。
ICU・HCUでは受け持ち人数が少なく、重症であっても1人の患者にしっかりと時間をかけて関わることができるため、より安心して受け持つことができます。
ICU・HCUでは、常に目の前で患者の状態を観察できる環境が整っている点も魅力だと感じます。
・医師や他の看護師に報告、相談しやすい環境
ICU・HCUでは医師の配置基準が決められており、専任の医師が配置されています。
主治医も、患者が重症な状態であるため、診察に来る回数が多いです。
ICU・HCUでは看護配置基準があり、看護師の人数も多いため、常に近くに他の看護師が居ます。
わからないことがあったり、患者の小さな変化が気になったときに、すぐに医師や他の看護師に相談しやすい環境が整っています。
・定時で帰ることができる
ICU・HCUは忙しく、定時で帰れないというイメージを持たれがちです。
もちろん病院によって違いはありますが、私がこれまで働いた病院では、一般病棟よりもICU・HCUの方が定時で業務を終えやすい印象があります。
これは、ICU・HCUでは看護配置基準が手厚く、看護師の人数が確保されているため、業務の引き継ぎがスムーズにできるからです。
私は、一般病棟で働いていたときよりも、ワークライフバランスを整えて働くことができています。
ICU・HCUで実際に働いて感じたデメリット
・幅広い疾患の知識が必要
ICU・HCUでは、さまざまな診療科の重症患者を受け持つため、幅広い知識が求められます。
知らない疾患の患者を受け持つこともあり、不安に感じることもあります。
常にわからないことを調べたり、勉強することが必要です。
・精神的プレッシャーが大きい
ICU・HCUでは、重症患者を受け持ったり、急変対応を行う場面が多くあります。
いざというとき冷静に判断、行動する臨機応変な対応が必要になります。
そのため精神的な疲労やストレスが溜まりやすく、負担に感じる看護師も多くいます。
・患者と長期的に関わることができない
ICU・HCUでは、患者の状態が改善したり、コミュニケーションが取れるようになる頃には一般病棟に転棟してしまうことが多いです。
長期的に関わることができないことに、寂しさや物足りなさを感じる場面もあります。
・医療行為に集中するあまり、看護に目が届きにくい
ICU・HCUでは重症患者に対する医療が行われているため、看護師にも常に高度な医療スキルが求められています。
状態観察や医療機器の管理に集中してしまい、患者に必要な看護を考える余裕がなくなることも多いです。
例えば、複雑な治療が行われる中で、患者のプライバシーや精神面への配慮を忘れたり、細かなケアをおろそかにしてしまうことがあります。
ICU・HCUでは、治療の優先順位が高くなることが多いですが、それと同時に、患者さん一人ひとりに合った看護を考え続けることが大切です。
ICU・HCUの業務内容や、実際に働いて感じたメリット・デメリットについて説明しました。
私自身、ICU・HCUで働き始めたときは、重症患者を受け持つことや知識が不足していることで不安に思うことも多くありました。
しかし、重症患者が回復する様子をみたり、スタッフと連携して対応を行うことで、やりがいや安心を感じることも多くあります。
私の後輩に、「元々慢性期が好きだからICUは向いていないと思っていたけど、色々勉強することができたから働けてよかった。」と話している人も居ます。
ICU・HCUでの経験は、急性期の看護スキルを磨くチャンスですし、他の病棟や異動先でも活かせる貴重な経験になると思います。
この内容が、ICU・HCUでの勤務を考えている方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
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