転職活動で求人票を見る際、どうしても1番最初に目がいくのは「基本給」や「月給」の欄だと思います。手取りに直結する部分なので当然ですが、実はそれと同じくらい、いや、それ以上に中長期的な待遇を左右する重要なチェック項目があります。それが「ベースアップ評価料」や「処遇改善加算」を算定している施設かどうか、という点です。
昨今、医療や介護の現場を支えるスタッフの待遇を良くしようと、国主導で賃上げの制度が動いています。ニュースなどでも耳にすることが増えましたよね。ただ、勘違いされがちなのですが、国が勝手に全医療従事者の給料を上げてくれるわけではありません。施設側が「うちの病院はこういう基準を満たして、スタッフの給料をこれだけ上げます」と国に申請し、受理されて初めて、評価料として診療報酬に上乗せされる仕組みです。
つまり、これらをしっかり算定しているということは、「スタッフの給与を上げるために、法人が事務的な手間を惜しまず動いている」という明確な証拠になります。逆に言えば、経営層が現場の待遇改善に無頓着だったり、労務管理がずさんで算定要件を満たせていなかったりする法人は、この恩恵をスタッフに還元できません。
また、この制度の優れた点は、原則として「基本給の底上げ」や「決まった手当」として継続的に還元しなければならないというルールがあることです。一時的なボーナスではなく、毎月のベースが上がるため、数年働き続けた際の生涯年収には歴然とした差が生まれます。
求人を探す際は、給与の額面だけでなく、備考欄や法人のホームページを見てみてください。「当院はベースアップ評価料を算定し、賃金改善に努めています」といった一文があるかどうか。それは単なる数字以上の、法人の「スタッフを大切にする姿勢」を測るリトマス試験紙になります。