「実務実習が始まるけど、何に気をつければいいんだろう……」
「先輩からアドバイスをもらったけど、本当に重要なポイントは何だろう?」
「患者さんとの接し方や現場でのコミュニケーションが不安……」
そう悩む薬学生の方も多いのではないでしょうか。
実務実習を成功させるために、特に気をつけたい5つのポイントがあります。この記事では、実務実習指導薬剤師として学生への指導経験豊富な薬剤師が、実践的なアドバイスをお伝えします。
実務実習は薬学教育における最も重要な臨床教育の機会です。
医療現場において患者さんから直接学べる唯一の機会であり、将来の薬剤師としての成長に大きな影響を与えます。実務実習で得られる学びを最大限に活かすためには、適切な準備と心構えが不可欠です。
実務実習の最大の目的は「単なる薬剤師業務の習得」ではありません。
実際の医療現場で患者さんを担当し、薬物治療の個別最適化を経験することで、薬剤師の役割を深く理解することにあります。実習では、大学で学んだ知識を実践の場で活用し、薬の専門職として適切な判断と対応ができる臨床能力を身につけていきます。
上記の目的を達成するためには、ただ実習をこなすのではなく、自ら考え経験を振り返ることが重要です。なぜその業務が必要なのか、患者さんにどのような意味があるのか、常に考えながら実習に臨む姿勢が求められます。
実務実習をスムーズに進めるためには、必要な持ち物を事前に準備しておくことが大切です。基本的な準備物に加えて、実習施設から指示される物もあります。以下に、一般的に必要となる持ち物とその理由をまとめました。なお、実習施設によって追加の指示がある場合は、それに従って準備してください。
| 持ち物 | 準備の理由 |
| 白衣(2着以上) | 清潔な身だしなみを保つため、交互に洗濯・着用しましょう |
| 実習ノート | 日々の実習内容や学びを記録し、振り返りに活用します |
| ポートフォリオ | 実習での成長を記録し、自己評価に使用します |
| 参考書、医薬品集 | 薬物治療の確認や患者指導の参考資料として使用します。
スマホの持ち込みは禁止の施設もあるため、医薬品集アプリではなく書籍を用意しておきましょう。 |
| ハサミ | 調剤でPTPシートを切るだけでなく、お薬手帳シールを切るときなどにも使います。白衣のポケットに入る大きさがオススメです。 |
| 筆記用具、メモ帳 | 3色ボールペンが1本あればよいでしょう。
メモ帳は白衣のポケットに入るサイズがオススメです。 |
実務実習は医療現場で行われるため、医療人としての適切な振る舞いが求められます。患者さんの命と健康に関わる場所であることを常に意識し、基本的なマナーを守りましょう。
身だしなみは特に重要です。
白衣は洗濯し清潔に保ちます。髪型は清潔で落ち着いた印象を与えるようにし、長い髪はきちんとまとめましょう。爪は短く切り、マニキュアは厳禁です。アクセサリーは時計以外を身につけないようにしましょう。香水や整髪料など強い香りのものの使用も避けます。
時間や施設の規則の遵守も欠かせません。
実習開始時刻の10分前には施設に到着するなど、余裕を持った行動を心がけましょう。やむを得ず遅刻や欠席をする場合は、必ず事前に実習施設と大学の指導教員に連絡します。実習中は施設の規則を守り、指導薬剤師の指示に従って行動することが重要です。
実務実習を成功させるためには、医療人としての基本的な姿勢が求められます。ここでは、実習期間中に特に意識したい5つの重要なポイントを解説します。5つのポイントを押さえることで、充実した実習生活を送り、薬剤師として必要な資質を身につけましょう。
実務実習では、積極的な学習姿勢が成長の鍵となります。単に与えられた課題をこなすだけでなく、自ら考え行動することが重要です。指導薬剤師からの説明をしっかりとメモに取り、分からないことは必ず質問しましょう。
担当した患者さんの薬物治療について、治療ガイドラインや添付文書を確認し、治療意図を理解するよう努めましょう。服薬指導や患者対応の場面では、指導薬剤師の対応をよく観察し、学び取ることが大切です。
実習での経験は必ず記録に残し、その日のうちに振り返りをします。なぜそのような対応が必要だったのか、どのような工夫が効果的だったのかなど、具体的に考察することで、より深い学びにつながります。
医療機関で扱う情報は患者さんの病気や治療内容、家族構成など極めてプライベートな内容を含みます。SNSでの投稿や友人との会話でも、実習内容に関する情報は一切共有してはいけません。
実習記録を書く際も個人情報の取り扱いには注意が必要です。患者さんを特定できる情報は記載せず、年齢や性別、主な症状程度にとどめます。実習ノートは紛失しないよう、細心の注意を払って管理しましょう。
実習施設内での会話にも注意が必要です。患者さんの情報を含む内容は、必ず決められた場所で話します。エレベーターや廊下など、他者に会話が聞こえる可能性がある場所での患者情報の話題は避けましょう。
医療現場では「報告・連絡・相談(ホウ・レン・ソウ)」の徹底が重要です。調剤や患者対応など安全管理が必要な業務では、判断に迷った際は必ず指導薬剤師に確認しましょう。些細なことでも、自己判断は避けてください。
実習の進捗は適切なタイミングで報告することが大切です。実習課題の実施状況や理解度について、定期的に指導薬剤師と共有します。体調不良や通院予定など、実習に影響を与える可能性があることは速やかに報告しましょう。
分からないことやうまくいかないことがあれば、早めに相談することも大切です。問題を一人で抱え込まず、指導薬剤師や大学の担当教員に相談し、適切なアドバイスを得ることで解決の糸口が見つかるでしょう。
患者さんと接する際は相手の立場に立って考え、思いやりの気持ちを持った対応が大切です。病気と向き合う患者さんの不安や心配に寄り添う姿勢を心がけましょう。
服薬指導では専門用語を避け、分かりやすい言葉で説明します。高齢の方には文字を大きくしたりゆっくり話したりするなど、患者さんの状況に合わせた配慮が必要です。患者さんの話をしっかりと聴く姿勢も大切です。
患者さんの体調や気持ちは日々変化します。笑顔で接することを心がけながらも、その日の体調や気分に配慮した対応を心がけましょう。患者さんの反応をよく観察し、不安そうな様子が見られたら、指導薬剤師に報告します。
実習施設では多くの医療スタッフと関わることになります。医師、看護師、栄養士、理学療法士など、それぞれの専門職と適切にコミュニケーションを取ることが重要です。特に指導薬剤師との良好な関係づくりは、充実した実習を送るための基本となります。
他職種とのやり取りでは、相手の業務を理解し、適切なタイミングで話しかけることが大切です。医療現場での会話は簡潔かつ正確であることを心がけ、メモを取る習慣をつけましょう。また、分からないことは放置せず、その場で確認します。
カンファレンスなどのチーム医療の場面では、積極的に参加する姿勢が求められます。他職種からの意見をしっかりと聴き、薬剤師の視点からも意見を述べる機会があれば、積極的に発言しましょう。
実務実習は薬剤師としての第一歩を踏み出す重要な機会です。
基本的なマナーと患者さんへの配慮を忘れず、指導薬剤師をはじめとする医療スタッフや患者さんから積極的に学ぶ姿勢で臨みましょう。一つひとつの経験を大切にし、日々の学びを振り返ることで、着実に成長することができますよ。
あなたに合う職場は、
「条件」だけでは見つからない。
求人票の給与・勤務時間だけでは、職場の空気感や人間関係、働き続けられる環境かは見えてきません。「つなぐ」は、厚生労働大臣認可の医療・介護専門マッチングサービスとして、福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄の信頼できる求人をご紹介しています。
✓ 九州・沖縄対応
✓ 医療・介護専門