地域の糖尿病療養指導士としての業務とは


糖尿病療養指導士には、日本糖尿病療養指導士(CDEJ)と、地域の糖尿病療養指導士(LCDE)があります。どちらも糖尿病患者様の健康と福祉の向上、糖尿病療養指導についての知識と経験をもつコメディカルスタッフの育成を目的としていることに変わりありませんが、資格の認定機構が違います。

今回は、私が所属している地域の糖尿病療養指導士についてお話します。

 

・地域の糖尿病療養指導士(LCDE)を取得することのメリット

①管理栄養士の領域を超えた勉強ができる

私の地域では、資格応募のため指定の研修を複数回受け、指定の単位数を満たし、勤務中の施設長の推薦があれば応募することができます。応募後は、資格習得のため数カ月間にわたり、2週間に1回程、資格取得希望者が集まり、糖尿病療養指導に関する講義が半日間ありました。一連の講義終了後は、症例を題材に他職種とのディスカッションを行い、筆記試験と面接を受け、合格した者が糖尿病療養指導士となります。

職域を超えた講義内容ばかりで、管理栄養士だけの勉強会ではなかなか学ぶことができない、インスリン注射をデモ機で自分の体へ打ってみる体験や、血糖自己測定を自分で行うなど、患者様の身になって様々な視点で糖尿病という病を学ぶことができました。

 

②院内で他職種との関わりが増え、協力関係が生まれる

管理栄養士は院内で数少ないため、孤独になりやすい傾向にありますが、他職種の資格取得希望者と資格取得に向けて講義を受けに一緒に行ったりと、他職種とコミュニケーションをとる機会も増え、日々試験合格のために切磋琢磨することで絆のようなものが生まれます。資格取得後は地域のイベントで同期として活動したり、院内で糖尿病教室等を行う上でとても役立っています。また、糖尿病患者さんの情報共有を行いやすくなるなどのメリットもあります。

 

③地域で横の繋がりが増え、協力関係が生まれる

管理栄養士は施設に1人といったところも多く、困った時に相談が出来ない環境にあることが多いのですが、糖尿病療養指導士を取得することで、他施設の管理栄養士と繋がることができ、困った時に相談し合える関係を築くことが出来ます。診療報酬が改定になった場合、給食管理や栄養管理業務について他の施設はどうしているか等、情報を共有することができます。また、地域のイベント活動に参加することで、同期以外の管理栄養士とも繋がることができ、さらに横の繋がりを広げたり、縦の繋がりを得る機会も増えます。

 

④地域全体で糖尿病患者様を支えられる

地域の糖尿病療養指導士になると、地域の糖尿病患者様へ向けての糖尿病啓発イベントに参加したり、行政機関からの依頼で確定申告会場で血糖測定を行うなど、地域全体で糖尿病患者様を支える活動に参加することができます。新たな糖尿病予備軍を発見し、医療機関への受診を促したりすることで、自分が住んでいる地域への貢献活動ができます。

 

・今後の展望

糖尿病は自覚症状がほとんどなく、自覚症状が出たころには後戻りできない状況にあることが多い病気であり、合併症も多く様々な病気への入口となります。また、ありふれた病であるからこそ、軽くみられやすい病気でもあるかと思います。管理栄養士として、地域の糖尿病療養指導士として、地域住民の糖尿病への関心を高め、早期発見、早期予防に取り組むことがより良い社会に繋がっていくと考えます。コロナ禍で様々なイベントが縮小されましたが、今後は他職種、他施設の糖尿病療養指導士と力を合わせ、糖尿病への治療や予防意識が高まるような活動ができたらと考えています。